茅葺き民家、景観など
毎度、多くのコメント、WEB拍手、メール等いただきまして、ありがとうございます。すべて目を通しております。このブログ、多くの人に見ていただけているようで、本当にありがとうございます。企画作りの参考にしていきます。
さて、茅葺き民家について、僕が白川郷が嘘くさい風景だと書いたら、「羽後町の茅葺き集落ように、電線とかプロパンガスがある風景がいい!」という意見をいただきました。
岩手銀行中ノ橋支店という銀行がありますが、現役の銀行ではじめて重要文化財になったものです。これは現在も使用されていて、ATMがあったり、蛍光灯の照明があったりして違和感があるけど、これが不思議といい感じなんですね。使われなくなって資料館になっている洋館はたくさんありますが、なんか違うな〜と思うことはしばしばです。
とくに、民家って人が住むからこそ民家なわけですね。だから、使われている状態こそが、どんなに傷んでいても、トタンで補修されていても、美しいと思います。
田代門前にある茅葺き民家の長谷山家住宅には、家主のおじいさんが自ら行った補修や、トタンやベニヤを組み合わせて手作りした雨除けなどがつけられています。「景観」を守るためなら、こうしたものは壊さなければなりません。しかし僕は、これこそが守るべき要素だと思います。
電線もそうですね。電線はよく、景観を語る上で忌み嫌われる存在です。たとえば、電線が風景写真を撮るうえで邪魔になると言う人がいます。しかし、考え方によっては、電線にトンビやスズメが止まっている風景なんかは、実に絵になる。僕は小学校のときに、絵画コンクールに電柱がある田園風景を描いたことがありましたが、意外と電柱は、農村と合う。鉄塔もそうです。不思議なものです。
僕はどうも、よくある景観論にはどうにも納得できなくて、電線を地中に埋めればいいとか、屋根や壁の色を統一すればいいとか、そんな簡単なものではないと思います。たとえば、家の色が昔は揃っていたのは、要は地産地消でその土地にあったものをつかって家を建てていたから、必然的に色が揃ったわけでしょう。それなのに、東京の住宅メーカーがつくった家を、壁の色だけ歴史っぽくすればいいという考えが、歴史的な街並みがある地域でも行われています。
地域の業者が、地域の材料を極力用いて新しく家をつくれば結構景観は整うんじゃないかと思うんですよ。それで充分、現代に合った家になると思うんです。
つまり、景観の復活には、地域の技術や産業の復活がなければならないのです。羽後町の茅葺き職人の育成はそれを行う試みなので、今後が楽しみで、単に屋根を葺くだけではなく、「羽後町型」の新建築をみんなで考えても面白いんじゃないでしょうか。
羽後町の民家保存の難しさとして、「家が集まっていないから」という理由が挙げられます。しかし、散在集落であることが、羽後町ならではの風景と思いますし、民家だけでなく、庚申を祀った石碑や、鳥居や祠など、山岳信仰を物語る史跡がたくさんあります。ハサガケで米を乾燥させる風景も残っていて、これは良い米づくりのために、住民のみんさんが守っているものです。
こうしたものも一緒に守っていくべきで、家がただ多く残っているだけではい、プラスアルファの価値があるのが羽後町の魅力だと僕は考えています。
さて、茅葺き民家について、僕が白川郷が嘘くさい風景だと書いたら、「羽後町の茅葺き集落ように、電線とかプロパンガスがある風景がいい!」という意見をいただきました。
岩手銀行中ノ橋支店という銀行がありますが、現役の銀行ではじめて重要文化財になったものです。これは現在も使用されていて、ATMがあったり、蛍光灯の照明があったりして違和感があるけど、これが不思議といい感じなんですね。使われなくなって資料館になっている洋館はたくさんありますが、なんか違うな〜と思うことはしばしばです。
とくに、民家って人が住むからこそ民家なわけですね。だから、使われている状態こそが、どんなに傷んでいても、トタンで補修されていても、美しいと思います。
田代門前にある茅葺き民家の長谷山家住宅には、家主のおじいさんが自ら行った補修や、トタンやベニヤを組み合わせて手作りした雨除けなどがつけられています。「景観」を守るためなら、こうしたものは壊さなければなりません。しかし僕は、これこそが守るべき要素だと思います。
電線もそうですね。電線はよく、景観を語る上で忌み嫌われる存在です。たとえば、電線が風景写真を撮るうえで邪魔になると言う人がいます。しかし、考え方によっては、電線にトンビやスズメが止まっている風景なんかは、実に絵になる。僕は小学校のときに、絵画コンクールに電柱がある田園風景を描いたことがありましたが、意外と電柱は、農村と合う。鉄塔もそうです。不思議なものです。
僕はどうも、よくある景観論にはどうにも納得できなくて、電線を地中に埋めればいいとか、屋根や壁の色を統一すればいいとか、そんな簡単なものではないと思います。たとえば、家の色が昔は揃っていたのは、要は地産地消でその土地にあったものをつかって家を建てていたから、必然的に色が揃ったわけでしょう。それなのに、東京の住宅メーカーがつくった家を、壁の色だけ歴史っぽくすればいいという考えが、歴史的な街並みがある地域でも行われています。
地域の業者が、地域の材料を極力用いて新しく家をつくれば結構景観は整うんじゃないかと思うんですよ。それで充分、現代に合った家になると思うんです。
つまり、景観の復活には、地域の技術や産業の復活がなければならないのです。羽後町の茅葺き職人の育成はそれを行う試みなので、今後が楽しみで、単に屋根を葺くだけではなく、「羽後町型」の新建築をみんなで考えても面白いんじゃないでしょうか。
羽後町の民家保存の難しさとして、「家が集まっていないから」という理由が挙げられます。しかし、散在集落であることが、羽後町ならではの風景と思いますし、民家だけでなく、庚申を祀った石碑や、鳥居や祠など、山岳信仰を物語る史跡がたくさんあります。ハサガケで米を乾燥させる風景も残っていて、これは良い米づくりのために、住民のみんさんが守っているものです。
こうしたものも一緒に守っていくべきで、家がただ多く残っているだけではい、プラスアルファの価値があるのが羽後町の魅力だと僕は考えています。
「何もない症候群」から脱却しよう!
このブログをちょこちょこと更新していると、メールやコメント、拍手などでたくさんの意見をいただきます。
行政関係の人もたくさん見てくださっているようで、ありがたいことであります。
羽後町のことを多くの人が褒めてくださるのですが、「うちの町は羽後町のように文化財があるわけではない」「羽後町のような資源がない」という人が多いです。
そんな馬鹿な。何にもない町なんてあるんでしょうか。んなわきゃあないぜ、と僕は思います。どんな町にも優れた資源はあるのです。僕は建築めぐりで日本各地を訪れていますが、自分が訪れたことがある町の関係者から、「うちの町は何もなくて・・・」と言われたことが多々あるんですが、現地の人からそういう声を聞くと悲しくなりますね。現地の人が何もないと言う町で、僕は感動してきたのですから。自分の町を「何もない」と言ってしまうこと、それこそが「埋もれている資源の発掘」ができていない、ということなのではないでしょうか。
これを僕は、「何もない症候群」と言っています。地方の人が感染しやすい病気です。
羽後町では今でも「何もない」という人がたくさんいます。というか、そう言う人が、自分を含めて圧倒的多数でした。三輪神社、鈴木家住宅などの重要文化財、西馬音内盆踊り、茅葺き民家、あきたこまち、西馬音内そば、羽後牛、太平山・・・これだけのものがあるにも関わらず、「何もない」と言う人が多いのです。たぶん、どこの地方も羽後町のような資源はあるし、ないはずがないと思います。
「何もない」症候群は、故郷に埋もれている素晴らしい資源を放置してしまい、その価値を失わせてしまいます。
全国屈指の259棟の茅葺き民家が残っていながら、その価値を理解しないまま、数を3分の1まで減らしてしまいました。あれだけ美味なあきたこまちを、「こんな米売れるわけがない」「若者の米離れで米は売れない」と言っていました。地方が衰退しているのは、国や大企業が悪いのではなく、地域の人たちが「何もない」と言って、地元の資源を発掘しようとしてこなかったからだと思っています。
羽後町の茅葺き民家を、地元の人で、「確かに茅葺きではあるが、一部分がトタンで修復されているから価値がない」と、言っている人がいました。しかし、羽後町をたびたび訪れている古民家好きの人に言わせれば「白川郷は茅葺き民家がお土産屋になっている。屋根もキレイ。しかし、生活感がない。羽後町の茅葺きは傷みが激しいが、住民の生活感が感じられて素晴らしい」ということです。見方によって、まったく逆になってしまうわけですね。
何もない街なんてないんです。何かあるんです。それを探すことが、町おこしやビジネスの第一歩です。
自分が観光客の立場になって考えてみてください。地元民が「何もない」と言っている街に行きたい、住んでみたいと思うでしょうか。
高い金を出して田舎に旅行し、現地の人に「うちの街には何もないですが・・・」と言われたら、どうでしょうか。その旅行者は50,000円の交通費を払って旅行していると仮定しましょう。生活費を削って、あこがれの田舎に旅しているのかもしれません。その人に対して「何もない」という言葉は、ホスピタリティーがある言葉でしょうか。そう言われて、旅行者は「ここはいい町だ」と思うでしょうか。
目の前にどれだけおいしい料理が並んでいても、がっかりしてしまうのではないでしょうか。
「何もない」と言わないようにしましょう。資源の発掘を行って、「何かある」と言うことが重要なのです。
「町おこしin羽後町」をはじめ、このブログでもたびたび書いているのですが、僕が主張したいことは「美少女」を使うことではなく、「埋もれている資源の発掘」の重要性です。これができていなければ、地方を活性化することはおろか、通常のビジネスだってできるわけがないと思います。
「美少女」を使うだけなら、東京の文化の輸入であって、戦後の地方がやってきたことと同じなんですよ。大河ドラマのような、外部が企画したものに地方が乗っているだけの、地元民が考えなくてもいい企画です。これでは、歴史的に、同じことの繰り返しではないでしょうか。
一連の美少女の企画の後に「羽後町は素晴らしい」と言われることが多くなりました。「羽後町のように何かやってみたい」という相談を受けることが多いのですが、「どういう美少女を使えばいいんですか」という質問ばかりです。
重要なのは、「美少女」ではなく「地域資源」です。ご当地美少女のイメージを考えるよりも、「何もない」と思っている街を散策して、資源を発掘してみましょう。町おこしやビジネスは、まずそこから始まるのです。
ちなみに、(株)スタジオいなごのブログでは僕が数日前から記事を書き始めましたが、ネタ切れは一切おきません(笑) いくらでもネタがあります。羽後町に行くたびにネタが出てきます。羽後町の情報ブログにしていこうと思います。
先日は、三浦運送の軒先にある羽後交通雄勝線の運転台を見てきました。これは観光パンフレットにも一切出てきません。しかし、鉄道ブームである昨今、これは大きな資源になるかもしれません。こういう資源は、どこにでも転がっているのではないでしょうか。
冒頭で、「素晴らしい資源」と書きましたが、「素晴らしい資源」って、たぶん、地元の人が地域にもとからあるものに対して「これはいい!!」と思いこんだ瞬間、生まれるものなんじゃないですかね。資源を素晴らしくするも、ダメにするも、地元の人次第なのです。
◆スタジオいなごのブログ
http://studio-inago.chu.jp/blog.html
<おしらせ>
4年間にわたって休業状態だった山内貴範のホームページを、友人が頑張って復旧してくれています。
僕が見てきた日本中の建築リストなどがあります。未完成の部分が多いですが、お時間がありますときにでも、お目通しいただければ幸いです。
◆山内貴範個人ホームページ「はちぷち」
http://hachipuchi.at-ninja.jp/index.html
行政関係の人もたくさん見てくださっているようで、ありがたいことであります。
羽後町のことを多くの人が褒めてくださるのですが、「うちの町は羽後町のように文化財があるわけではない」「羽後町のような資源がない」という人が多いです。
そんな馬鹿な。何にもない町なんてあるんでしょうか。んなわきゃあないぜ、と僕は思います。どんな町にも優れた資源はあるのです。僕は建築めぐりで日本各地を訪れていますが、自分が訪れたことがある町の関係者から、「うちの町は何もなくて・・・」と言われたことが多々あるんですが、現地の人からそういう声を聞くと悲しくなりますね。現地の人が何もないと言う町で、僕は感動してきたのですから。自分の町を「何もない」と言ってしまうこと、それこそが「埋もれている資源の発掘」ができていない、ということなのではないでしょうか。
これを僕は、「何もない症候群」と言っています。地方の人が感染しやすい病気です。
羽後町では今でも「何もない」という人がたくさんいます。というか、そう言う人が、自分を含めて圧倒的多数でした。三輪神社、鈴木家住宅などの重要文化財、西馬音内盆踊り、茅葺き民家、あきたこまち、西馬音内そば、羽後牛、太平山・・・これだけのものがあるにも関わらず、「何もない」と言う人が多いのです。たぶん、どこの地方も羽後町のような資源はあるし、ないはずがないと思います。
「何もない」症候群は、故郷に埋もれている素晴らしい資源を放置してしまい、その価値を失わせてしまいます。
全国屈指の259棟の茅葺き民家が残っていながら、その価値を理解しないまま、数を3分の1まで減らしてしまいました。あれだけ美味なあきたこまちを、「こんな米売れるわけがない」「若者の米離れで米は売れない」と言っていました。地方が衰退しているのは、国や大企業が悪いのではなく、地域の人たちが「何もない」と言って、地元の資源を発掘しようとしてこなかったからだと思っています。
羽後町の茅葺き民家を、地元の人で、「確かに茅葺きではあるが、一部分がトタンで修復されているから価値がない」と、言っている人がいました。しかし、羽後町をたびたび訪れている古民家好きの人に言わせれば「白川郷は茅葺き民家がお土産屋になっている。屋根もキレイ。しかし、生活感がない。羽後町の茅葺きは傷みが激しいが、住民の生活感が感じられて素晴らしい」ということです。見方によって、まったく逆になってしまうわけですね。
何もない街なんてないんです。何かあるんです。それを探すことが、町おこしやビジネスの第一歩です。
自分が観光客の立場になって考えてみてください。地元民が「何もない」と言っている街に行きたい、住んでみたいと思うでしょうか。
高い金を出して田舎に旅行し、現地の人に「うちの街には何もないですが・・・」と言われたら、どうでしょうか。その旅行者は50,000円の交通費を払って旅行していると仮定しましょう。生活費を削って、あこがれの田舎に旅しているのかもしれません。その人に対して「何もない」という言葉は、ホスピタリティーがある言葉でしょうか。そう言われて、旅行者は「ここはいい町だ」と思うでしょうか。
目の前にどれだけおいしい料理が並んでいても、がっかりしてしまうのではないでしょうか。
「何もない」と言わないようにしましょう。資源の発掘を行って、「何かある」と言うことが重要なのです。
「町おこしin羽後町」をはじめ、このブログでもたびたび書いているのですが、僕が主張したいことは「美少女」を使うことではなく、「埋もれている資源の発掘」の重要性です。これができていなければ、地方を活性化することはおろか、通常のビジネスだってできるわけがないと思います。
「美少女」を使うだけなら、東京の文化の輸入であって、戦後の地方がやってきたことと同じなんですよ。大河ドラマのような、外部が企画したものに地方が乗っているだけの、地元民が考えなくてもいい企画です。これでは、歴史的に、同じことの繰り返しではないでしょうか。
一連の美少女の企画の後に「羽後町は素晴らしい」と言われることが多くなりました。「羽後町のように何かやってみたい」という相談を受けることが多いのですが、「どういう美少女を使えばいいんですか」という質問ばかりです。
重要なのは、「美少女」ではなく「地域資源」です。ご当地美少女のイメージを考えるよりも、「何もない」と思っている街を散策して、資源を発掘してみましょう。町おこしやビジネスは、まずそこから始まるのです。
ちなみに、(株)スタジオいなごのブログでは僕が数日前から記事を書き始めましたが、ネタ切れは一切おきません(笑) いくらでもネタがあります。羽後町に行くたびにネタが出てきます。羽後町の情報ブログにしていこうと思います。
先日は、三浦運送の軒先にある羽後交通雄勝線の運転台を見てきました。これは観光パンフレットにも一切出てきません。しかし、鉄道ブームである昨今、これは大きな資源になるかもしれません。こういう資源は、どこにでも転がっているのではないでしょうか。
冒頭で、「素晴らしい資源」と書きましたが、「素晴らしい資源」って、たぶん、地元の人が地域にもとからあるものに対して「これはいい!!」と思いこんだ瞬間、生まれるものなんじゃないですかね。資源を素晴らしくするも、ダメにするも、地元の人次第なのです。
◆スタジオいなごのブログ
http://studio-inago.chu.jp/blog.html
<おしらせ>
4年間にわたって休業状態だった山内貴範のホームページを、友人が頑張って復旧してくれています。
僕が見てきた日本中の建築リストなどがあります。未完成の部分が多いですが、お時間がありますときにでも、お目通しいただければ幸いです。
◆山内貴範個人ホームページ「はちぷち」
http://hachipuchi.at-ninja.jp/index.html
水戸
前回、「コみケッとスペシャル水戸」のことを書いたら、予想以上に反響がありました。
長い文章を読んでいただき、感謝です。地元、水戸の方からも意見が寄せられて驚きました。ありがとうございます。
前回のブログにも書きましたとおり、僕は「コミックマーケット」自体はすごく好きなんですね。今年の夏も、サークルのお手伝いから、一般参加まで、いろいろと参加予定です。コミケはとても楽しいのですが、それが「町おこし」に果たしてなるのかどうか、疑問なのです。僕はコミケの面白さって、同じ趣味を持つ者同士の集まりにあると思うのです。しかし、「町おこし」を掲げるなら、一般の人たちも参加できるイベントにしていく必要があります(「かがり美少女イラストコンテスト」は夏祭りのなかで開催し、それに合ったような内容にしています)。そうでなければ、継続していくことは困難です。
「コミケ」は18禁同人誌、著作権の問題など、いろいろと抱えていることがあります。しかし、僕は18禁であることや、二次創作であることなどが、同人誌の面白さだと思いますし、それがなくなってしまったらコミケの面白さがかなりなくなると思います。そしてそれらは、愛好者同士の集まりのなかで楽しむからこそできるのです(一般向けのイベントにすれば、前述のような内容は絶対にできないでしょう)。そしてそれこそが、「マンガ・アニメ・ゲームファンの祭典」であるコミケの醍醐味だと思うんですが、どうでしょうか。
その本質的な部分が、「町おこし」ではいったいどうなるんでしょうか・・・
僕は美少女イラストは一般の人達にも受けるものだと思っていますし、それは事実、そうです。僕は自分が好きなものをもっと多くの人に知ってもらいたいと思っていますから、「コミケ」とは違った手法で、イラスト文化を活かした企画をやりたいと思い、「かがり美少女イラストコンテスト」をはじめ、ありがたいことに3回(3年)続いています。
毎年、地元では楽しみにしている子どもたちがたくさんいます。また、スーパーで買い物していても、おばちゃんに「イベントを継続してほしい」と声をかけられることもしばしばです。これは、「盆踊り」のイラストを描くという、地元の人が理解しやすいテーマを設定していることや、街の中心地にイラストを展示して、お祭りに来た一般の方にも投票を呼び掛けていることが成功している大きな理由だと思います。
そして、全国から集まってくる県外の応募者のみなさんのイラストをみて、子どもたちが地元の伝統を誇りに思ったり、魅力を再発見したりしています。まだ3年と、はじまったばかりのイベントではありますが、少しずつ浸透しているなあと実感しています。
さて、「コみケッとスペシャル水戸」について、1度きりのお祭りになるのではないか、既存のコミックライブや個人がやっている同人イベント(水戸でもそういったイベントは開催されています)とどう違いを出していくのか、一般の人たちとの共存が可能であるかなど、数々のポイントについてたくさんの意見をいただき、興味深かったです。
この手のイベントといえば、それにちなんだ商品開発ですが、これも「大河ドラマ」の舞台になった場所ではいろんな業者が便乗してやっていますよね。やっていることに新しさがないのです。僕は宮崎あおいのファンでして、「篤姫」の舞台になった鹿児島に放送中とその後に行ったんですが、後ではもう、往時の面影が残っていなかった・・・(汗)残念に思いましたし、外部の企画ってやっぱり一時的なものなのかと感じたものです。
パッケージを見ても、無理やり水戸っぽくしたとか、水戸と関係ない絵柄であったりとかで、秋葉原の文化を無批判で輸入しているだけです。水戸らしいデザインとは何か、創作活動のイベントですから、パッケージ等で模索してもいいんじゃないかと思うんですが・・・
外部から人を呼ぶだけで、町おこしと言えるのでしょうか。継続していくためには、地元の人たちにいかに理解してもらい、かつ、地元の人材を育てていくか・・・そのへんのビジョンが見える企画であってほしいですね。
もっとも、僕は「コみケッとスペシャル水戸」の関係者ではないので(笑)、何にもできないんですが、自分がやっているイベントについても、前述のようなポイントがちゃんと実践されているか、改めて考えるよい機会になりました。
これに関連して、「かがり美少女イラストコンテスト」は、「かがり火天国」のなかでやってほしいという意見が、参加者の方、イラスト投稿者の方から、たくさんいただきました。今年も4回目(イコール、4年目ですね!)を開催すると思いますが、去年の夏の「かがり美少女イラストコンテスト」や、秋に行った「美少女イラスト秋まつり@羽後町」の反省点を活かして、より良いイベントにしていきたいと思っています。
いろいろと書いてしまいましたが、僕は「コみケッとスペシャル」を批判しているわけではなく、東京でやっていることに便乗して何かやれば、街が活性化するという発想、それをおかしいんじゃないかと考えているのです。「町おこし」は東京の文化の模倣によって地方が画一化してしまった反省から行われているはずで、「地域性」が重要であるはずなのに、それが出ていないものが多いことは気になります。
これは「コみケッとスペシャル」というよりは、日本中の同種の「町おこし」に言えることではないかと思います。
山内 貴範
長い文章を読んでいただき、感謝です。地元、水戸の方からも意見が寄せられて驚きました。ありがとうございます。
前回のブログにも書きましたとおり、僕は「コミックマーケット」自体はすごく好きなんですね。今年の夏も、サークルのお手伝いから、一般参加まで、いろいろと参加予定です。コミケはとても楽しいのですが、それが「町おこし」に果たしてなるのかどうか、疑問なのです。僕はコミケの面白さって、同じ趣味を持つ者同士の集まりにあると思うのです。しかし、「町おこし」を掲げるなら、一般の人たちも参加できるイベントにしていく必要があります(「かがり美少女イラストコンテスト」は夏祭りのなかで開催し、それに合ったような内容にしています)。そうでなければ、継続していくことは困難です。
「コミケ」は18禁同人誌、著作権の問題など、いろいろと抱えていることがあります。しかし、僕は18禁であることや、二次創作であることなどが、同人誌の面白さだと思いますし、それがなくなってしまったらコミケの面白さがかなりなくなると思います。そしてそれらは、愛好者同士の集まりのなかで楽しむからこそできるのです(一般向けのイベントにすれば、前述のような内容は絶対にできないでしょう)。そしてそれこそが、「マンガ・アニメ・ゲームファンの祭典」であるコミケの醍醐味だと思うんですが、どうでしょうか。
その本質的な部分が、「町おこし」ではいったいどうなるんでしょうか・・・
僕は美少女イラストは一般の人達にも受けるものだと思っていますし、それは事実、そうです。僕は自分が好きなものをもっと多くの人に知ってもらいたいと思っていますから、「コミケ」とは違った手法で、イラスト文化を活かした企画をやりたいと思い、「かがり美少女イラストコンテスト」をはじめ、ありがたいことに3回(3年)続いています。
毎年、地元では楽しみにしている子どもたちがたくさんいます。また、スーパーで買い物していても、おばちゃんに「イベントを継続してほしい」と声をかけられることもしばしばです。これは、「盆踊り」のイラストを描くという、地元の人が理解しやすいテーマを設定していることや、街の中心地にイラストを展示して、お祭りに来た一般の方にも投票を呼び掛けていることが成功している大きな理由だと思います。
そして、全国から集まってくる県外の応募者のみなさんのイラストをみて、子どもたちが地元の伝統を誇りに思ったり、魅力を再発見したりしています。まだ3年と、はじまったばかりのイベントではありますが、少しずつ浸透しているなあと実感しています。
さて、「コみケッとスペシャル水戸」について、1度きりのお祭りになるのではないか、既存のコミックライブや個人がやっている同人イベント(水戸でもそういったイベントは開催されています)とどう違いを出していくのか、一般の人たちとの共存が可能であるかなど、数々のポイントについてたくさんの意見をいただき、興味深かったです。
この手のイベントといえば、それにちなんだ商品開発ですが、これも「大河ドラマ」の舞台になった場所ではいろんな業者が便乗してやっていますよね。やっていることに新しさがないのです。僕は宮崎あおいのファンでして、「篤姫」の舞台になった鹿児島に放送中とその後に行ったんですが、後ではもう、往時の面影が残っていなかった・・・(汗)残念に思いましたし、外部の企画ってやっぱり一時的なものなのかと感じたものです。
パッケージを見ても、無理やり水戸っぽくしたとか、水戸と関係ない絵柄であったりとかで、秋葉原の文化を無批判で輸入しているだけです。水戸らしいデザインとは何か、創作活動のイベントですから、パッケージ等で模索してもいいんじゃないかと思うんですが・・・
外部から人を呼ぶだけで、町おこしと言えるのでしょうか。継続していくためには、地元の人たちにいかに理解してもらい、かつ、地元の人材を育てていくか・・・そのへんのビジョンが見える企画であってほしいですね。
もっとも、僕は「コみケッとスペシャル水戸」の関係者ではないので(笑)、何にもできないんですが、自分がやっているイベントについても、前述のようなポイントがちゃんと実践されているか、改めて考えるよい機会になりました。
これに関連して、「かがり美少女イラストコンテスト」は、「かがり火天国」のなかでやってほしいという意見が、参加者の方、イラスト投稿者の方から、たくさんいただきました。今年も4回目(イコール、4年目ですね!)を開催すると思いますが、去年の夏の「かがり美少女イラストコンテスト」や、秋に行った「美少女イラスト秋まつり@羽後町」の反省点を活かして、より良いイベントにしていきたいと思っています。
いろいろと書いてしまいましたが、僕は「コみケッとスペシャル」を批判しているわけではなく、東京でやっていることに便乗して何かやれば、街が活性化するという発想、それをおかしいんじゃないかと考えているのです。「町おこし」は東京の文化の模倣によって地方が画一化してしまった反省から行われているはずで、「地域性」が重要であるはずなのに、それが出ていないものが多いことは気になります。
これは「コみケッとスペシャル」というよりは、日本中の同種の「町おこし」に言えることではないかと思います。
山内 貴範
美少女イラストの町おこし、商品を考える
「コミケで町おこし」をテーマに、「コみケっとスペシャル水戸」が今年3月に開催されることになっています。
このイベントを企画するにあたって、コミックマーケット準備会は開催地を公募しました。最終的に、茨城県の水戸市に開催地が決定しました。水戸市では美少女や美少年をあしらったグッズを、地元業者がつくっていて、徐々に様々なグッズが発売になっているようです。
ところで、僕のもとに、「このコミケに羽後町が立候補すればよかったのに!」というメールや電話が結構きます。
実はこの企画が発表された段階で、僕はいつも企画に協力してくれている秋田市内の皆さんと、「羽後町に誘致できないだろうか」と、本気で考えたことがあります。たとえば、茅葺き民家集落全体をつかって即売会をする、重要文化財の三輪神社境内でライブを行う、などなど、アイディアは無限に出てきました。羽後町がダメなら秋田市で・・・みたいな感じで組織をつくることまで考え、企画書の制作は私が行い、ほぼ提出できる段階まで完成していました。
しかし、企画書を作っていて、ふと思ったのです。
「何もコミケに立候補しなくても、羽後町にはかがり美少女イラストコンテストがあるじゃないか。外部の組織の企画に便乗しなくても、自分たちでイベントを作った方がいい」
いろいろ考えた結果、立候補は辞めました。
地方には現地の人たちが自発的にやっている即売会がたくさんあります。「コミケット」の名前を借りなくても、イベントはできるじゃないか・・・ 今、秋田市のみなさんの中には、同人イベントを自分たちで作ろうと動いている人たちがいますが、話を聞くと、ものすごくスケールが大きく、完全に現地の有志でやっているからこそかえって面白いものが作れるという感じがします。
「コみケッとスペシャル水戸」は、現地の方々も組織をつくって動いているようですが、結局は外部組織の提案に乗っただけという印象です。イベントを見ても、よくあるシンポジウムや観光キャンペーンと同じで、真新しさはありません。これは、いわゆるNHK「大河ドラマ」の町おこしと同じことではないでしょうか。
それに、毎年のように、水戸でコミケットスペシャルが開催されるわけではなく、「スペシャル」ですから本当に一度きりです。今の時点ではグッズが出ているけれども、継続して販売されるのでしょうか。僕は大河ドラマや朝ドラの舞台になった地方をたくさん訪れていますが、放送中はグッズが出まくって華やかだけれども、1年もたてばその面影はすべて消え去ってしまっています。考えてみると、こういうお祭りに便乗して制作したグッズが継続している例ってほとんど見ることがありません。
僕はビッグサイトのコミケに何度も行っていますし、売り子で知人のサークルを手伝ったりもしていますし、同人誌即売会自体はたいへん好きです(地方の即売会にはサークルで出たこともあります)。
しかし、18禁の同人誌が売買される空間はどうしても一部の愛好者だけの空間になってしまいます。僕は表現規制につながる児童ポルノ法の改正には反対の立場ですが、だからといって、子どもたちや地域住民に18禁の同人誌を見せることはできません。もともと、コミケ自体がマンガ・アニメファンの祭典であるという、閉じられた空間です。同人誌即売会とはそういうものだと思いますし、それでいいと思います。現在、コミケには51万人の人が訪れているそうですが、あの空間に一般の人たちが気軽に来れるか?というと、NOでしょう。
僕は美少女イラストの町おこしを企画しましたが、それはアニメ・マンガファンに喜んでもらえることも重要ですが、地元の子どもたちや、アニメ・マンガに興味がない人にも、美少女イラストの魅力を伝えたいというコンセプトでやっています。美少女イラスト自体は、一般の人にも受け入れられるものだと思いますし、自分が好きなものを多くの人に知ってもらいたいという考えは強く持っていました。そこで、これまでにあったようなアニメ・マンガのイベントとは違ったかたちで、地域に根差した企画をつくろうと思ったのです。実際、5年前のガロアのチラシに、真木ちとせさんや小鳥遊つばささんのイラストを使ったとき、地元の人たちに広く受け入れられました。美少女イラストは表現の方法とやり方次第で、多くの人に支持されるものなのです。
その考えが、羽後町におけるイベントや数々の商品に結実しています。
僕が実行委員長をやっている「かがり美少女イラストコンテスト」は、「かがり火天国」という地元の夏祭りのなかで開催されています。分離して独自のイベントにしてもいいだろ、という声も聞かれるのですが、夏祭りのなかでやる、というスタイルにはこだわっていきたいのです。
「イラストコンテスト」の作品の順位を、来場者の投票で決めるという点も、美少女イラストに興味がない人にも参加してもらいたい、という思いからこだわっています。
実際、イベントで投票してくれる人の7割以上が、アニメ・マンガファンというわけではない地元のおじさん、おばさんや、子どもたちです。こうした開かれたイベントにしていきたいのです。「かがり美少女」が3年間継続しているのも、閉じられたイベントではなく地域に融合を目指して取り組んできたためだと思っています。
最近のマスコミ報道で、羽後町の美少女イラスト企画は「オタク向けに商品を売って成功した」事例がすべてであるかのように報じられています。
しかし、私はイラストを通じて未来の人材を育てるということや、地元の人たちに少しでも美少女に理解してもらいたいというコンセプトを大切にしています。地元の学習塾ガロアを手伝っている関係で、子どもたちとよく話をするのですが、後輩たちの期待はものすごく大きいです。僕はその夢に少しでも応えられる、イベントをつくっていきたいです。
ところで、「コミケ」立候補のために書いた企画書の一部が昨年10月に開催された「美少女イラスト秋まつり@羽後町」に活かされました。
規模はもちろん、コミックマーケット準備会さんの力を借りた場合と比べたら圧倒的に小規模です。しかし、「かがり美少女イラストコンテスト」を通じて知り合った、秋田のみなさんと企画したという点は大きかったです。地元の力でイベントができたからです。
イベント来場者の半数以上が地元の子どもたちでした。コスプレ姿で農村を歩くという企画は、住民の方々に驚きをもって迎えられましたが、その後の地元の人とのディスカッションで「ぜひ次回もやってほしい」「もっと大々的に音楽を流したりしてやってほしい」と、うれしい意見が返ってきました。
「コみケッとスペシャル水戸」は、継続した「町おこし」となるでしょうか。アニメ・マンガファン以外にも開かれたイベントとなるでしょうか?
美少女イラストを使ったご当地商品は今ではまったく珍しくなくなりました。ここでもう一度、各地で開発された商品を、以下の3点に注意して見てみましょう。
1:単にイラストをパッケージに載せただけの商品になっていないか。
2:秋葉原にあっても変わりないようなイラストになっていないか(地域性が表れたイラストになっているか)。
3:商品は地元の業者によって作られているか(いわゆるご当地土産の大半は東京のメーカーが中身をつくっている)。
特に「2」については、「これってアキバの土産じゃないの?」というようなものが目立ちます。単に女の子を描いただけ(メイドやセーラー服の少女など、どう考えてもその地域と関係ない絵が描かれている)というものが多く見られます。「美少女を使えば売れる」「人気イラストレーターに頼めば売れる」のではなく、「埋もれている地域資源の発掘」と「新旧文化の融合」こそが重要なのです。そのへんはマスコミに対して数えきれないくらいしゃべっているのですが、いつもカットされてしまい、本質的な部分が伝わらないのが残念です。
僕は、安易な「美少女」町おこしや商品が増えまくることは、地方のために良いことではないと思います。
美少女を使うだけでは、町おこしにはなりません。美少女の前に、「地域資源の発掘」がなければならないのです。和歌山県みなべ町で「びんちょうタン」を使った町おこしをした松本貢さんが言っていたことなのですが、まずは地域を知ることが先決で、美少女ありきでは東京のマネっこになってしまいます。「美少女というコンテンツで町おこし」を論じている学者の先生方は「コンテンツ」のことばっかりを主張していて、「町おこしは地域の資源ありき」という考えが欠落しています。
戦後、日本の地方の風景が画一的になったのは、東京の模倣をすることこそが地方が豊かになることだと住民が信じていたためでしょう。その反省から、地域性を活かした町づくりが叫ばれています。
しかし、現在行われている多くの町おこしが結局は「他の地域でやっていることのマネ」であったり、「東京の有名企業を引っ張ってくる」「東京の大企業・組織が提案した企画に乗る」というパターンに陥ってしまっています。昨年、秋田県大潟村で生産された「ギャル米」も同じようなパターンでしょう。これはギャル社長の藤田志穂さんがニュースでしゃべった提案に、大潟村の企業が立候補して企画に至ったわけですが、ギャルという文化を東京から地方に持って行っただけです。結局、マスコミはやたら取り上げるけれども、さっぱり米は売れていないようです。これは、藤田さんという大企業がバックについた人の提案に乗っただけで、地元の方で考えるということをしていないためです。
ギャル文化という渋谷の文化を持って行ったのが大潟村の「ギャル米」でした。
今回のコミケは、秋葉原の文化を持って行っただけになっていないでしょうか?
「この土地でしかできない」イベントになっているでしょうか。
イベントまでまだ期間があります。実行委員会のみなさんには、そのへんをよく考えたイベントにしてもらいたいと思っています。
僕は、美少女が珍しくなくなった今だからこそ、企画をつくった原点を大切にしていきたいと考えています。
山内 貴範
このイベントを企画するにあたって、コミックマーケット準備会は開催地を公募しました。最終的に、茨城県の水戸市に開催地が決定しました。水戸市では美少女や美少年をあしらったグッズを、地元業者がつくっていて、徐々に様々なグッズが発売になっているようです。
ところで、僕のもとに、「このコミケに羽後町が立候補すればよかったのに!」というメールや電話が結構きます。
実はこの企画が発表された段階で、僕はいつも企画に協力してくれている秋田市内の皆さんと、「羽後町に誘致できないだろうか」と、本気で考えたことがあります。たとえば、茅葺き民家集落全体をつかって即売会をする、重要文化財の三輪神社境内でライブを行う、などなど、アイディアは無限に出てきました。羽後町がダメなら秋田市で・・・みたいな感じで組織をつくることまで考え、企画書の制作は私が行い、ほぼ提出できる段階まで完成していました。
しかし、企画書を作っていて、ふと思ったのです。
「何もコミケに立候補しなくても、羽後町にはかがり美少女イラストコンテストがあるじゃないか。外部の組織の企画に便乗しなくても、自分たちでイベントを作った方がいい」
いろいろ考えた結果、立候補は辞めました。
地方には現地の人たちが自発的にやっている即売会がたくさんあります。「コミケット」の名前を借りなくても、イベントはできるじゃないか・・・ 今、秋田市のみなさんの中には、同人イベントを自分たちで作ろうと動いている人たちがいますが、話を聞くと、ものすごくスケールが大きく、完全に現地の有志でやっているからこそかえって面白いものが作れるという感じがします。
「コみケッとスペシャル水戸」は、現地の方々も組織をつくって動いているようですが、結局は外部組織の提案に乗っただけという印象です。イベントを見ても、よくあるシンポジウムや観光キャンペーンと同じで、真新しさはありません。これは、いわゆるNHK「大河ドラマ」の町おこしと同じことではないでしょうか。
それに、毎年のように、水戸でコミケットスペシャルが開催されるわけではなく、「スペシャル」ですから本当に一度きりです。今の時点ではグッズが出ているけれども、継続して販売されるのでしょうか。僕は大河ドラマや朝ドラの舞台になった地方をたくさん訪れていますが、放送中はグッズが出まくって華やかだけれども、1年もたてばその面影はすべて消え去ってしまっています。考えてみると、こういうお祭りに便乗して制作したグッズが継続している例ってほとんど見ることがありません。
僕はビッグサイトのコミケに何度も行っていますし、売り子で知人のサークルを手伝ったりもしていますし、同人誌即売会自体はたいへん好きです(地方の即売会にはサークルで出たこともあります)。
しかし、18禁の同人誌が売買される空間はどうしても一部の愛好者だけの空間になってしまいます。僕は表現規制につながる児童ポルノ法の改正には反対の立場ですが、だからといって、子どもたちや地域住民に18禁の同人誌を見せることはできません。もともと、コミケ自体がマンガ・アニメファンの祭典であるという、閉じられた空間です。同人誌即売会とはそういうものだと思いますし、それでいいと思います。現在、コミケには51万人の人が訪れているそうですが、あの空間に一般の人たちが気軽に来れるか?というと、NOでしょう。
僕は美少女イラストの町おこしを企画しましたが、それはアニメ・マンガファンに喜んでもらえることも重要ですが、地元の子どもたちや、アニメ・マンガに興味がない人にも、美少女イラストの魅力を伝えたいというコンセプトでやっています。美少女イラスト自体は、一般の人にも受け入れられるものだと思いますし、自分が好きなものを多くの人に知ってもらいたいという考えは強く持っていました。そこで、これまでにあったようなアニメ・マンガのイベントとは違ったかたちで、地域に根差した企画をつくろうと思ったのです。実際、5年前のガロアのチラシに、真木ちとせさんや小鳥遊つばささんのイラストを使ったとき、地元の人たちに広く受け入れられました。美少女イラストは表現の方法とやり方次第で、多くの人に支持されるものなのです。
その考えが、羽後町におけるイベントや数々の商品に結実しています。
僕が実行委員長をやっている「かがり美少女イラストコンテスト」は、「かがり火天国」という地元の夏祭りのなかで開催されています。分離して独自のイベントにしてもいいだろ、という声も聞かれるのですが、夏祭りのなかでやる、というスタイルにはこだわっていきたいのです。
「イラストコンテスト」の作品の順位を、来場者の投票で決めるという点も、美少女イラストに興味がない人にも参加してもらいたい、という思いからこだわっています。
実際、イベントで投票してくれる人の7割以上が、アニメ・マンガファンというわけではない地元のおじさん、おばさんや、子どもたちです。こうした開かれたイベントにしていきたいのです。「かがり美少女」が3年間継続しているのも、閉じられたイベントではなく地域に融合を目指して取り組んできたためだと思っています。
最近のマスコミ報道で、羽後町の美少女イラスト企画は「オタク向けに商品を売って成功した」事例がすべてであるかのように報じられています。
しかし、私はイラストを通じて未来の人材を育てるということや、地元の人たちに少しでも美少女に理解してもらいたいというコンセプトを大切にしています。地元の学習塾ガロアを手伝っている関係で、子どもたちとよく話をするのですが、後輩たちの期待はものすごく大きいです。僕はその夢に少しでも応えられる、イベントをつくっていきたいです。
ところで、「コミケ」立候補のために書いた企画書の一部が昨年10月に開催された「美少女イラスト秋まつり@羽後町」に活かされました。
規模はもちろん、コミックマーケット準備会さんの力を借りた場合と比べたら圧倒的に小規模です。しかし、「かがり美少女イラストコンテスト」を通じて知り合った、秋田のみなさんと企画したという点は大きかったです。地元の力でイベントができたからです。
イベント来場者の半数以上が地元の子どもたちでした。コスプレ姿で農村を歩くという企画は、住民の方々に驚きをもって迎えられましたが、その後の地元の人とのディスカッションで「ぜひ次回もやってほしい」「もっと大々的に音楽を流したりしてやってほしい」と、うれしい意見が返ってきました。
「コみケッとスペシャル水戸」は、継続した「町おこし」となるでしょうか。アニメ・マンガファン以外にも開かれたイベントとなるでしょうか?
美少女イラストを使ったご当地商品は今ではまったく珍しくなくなりました。ここでもう一度、各地で開発された商品を、以下の3点に注意して見てみましょう。
1:単にイラストをパッケージに載せただけの商品になっていないか。
2:秋葉原にあっても変わりないようなイラストになっていないか(地域性が表れたイラストになっているか)。
3:商品は地元の業者によって作られているか(いわゆるご当地土産の大半は東京のメーカーが中身をつくっている)。
特に「2」については、「これってアキバの土産じゃないの?」というようなものが目立ちます。単に女の子を描いただけ(メイドやセーラー服の少女など、どう考えてもその地域と関係ない絵が描かれている)というものが多く見られます。「美少女を使えば売れる」「人気イラストレーターに頼めば売れる」のではなく、「埋もれている地域資源の発掘」と「新旧文化の融合」こそが重要なのです。そのへんはマスコミに対して数えきれないくらいしゃべっているのですが、いつもカットされてしまい、本質的な部分が伝わらないのが残念です。
僕は、安易な「美少女」町おこしや商品が増えまくることは、地方のために良いことではないと思います。
美少女を使うだけでは、町おこしにはなりません。美少女の前に、「地域資源の発掘」がなければならないのです。和歌山県みなべ町で「びんちょうタン」を使った町おこしをした松本貢さんが言っていたことなのですが、まずは地域を知ることが先決で、美少女ありきでは東京のマネっこになってしまいます。「美少女というコンテンツで町おこし」を論じている学者の先生方は「コンテンツ」のことばっかりを主張していて、「町おこしは地域の資源ありき」という考えが欠落しています。
戦後、日本の地方の風景が画一的になったのは、東京の模倣をすることこそが地方が豊かになることだと住民が信じていたためでしょう。その反省から、地域性を活かした町づくりが叫ばれています。
しかし、現在行われている多くの町おこしが結局は「他の地域でやっていることのマネ」であったり、「東京の有名企業を引っ張ってくる」「東京の大企業・組織が提案した企画に乗る」というパターンに陥ってしまっています。昨年、秋田県大潟村で生産された「ギャル米」も同じようなパターンでしょう。これはギャル社長の藤田志穂さんがニュースでしゃべった提案に、大潟村の企業が立候補して企画に至ったわけですが、ギャルという文化を東京から地方に持って行っただけです。結局、マスコミはやたら取り上げるけれども、さっぱり米は売れていないようです。これは、藤田さんという大企業がバックについた人の提案に乗っただけで、地元の方で考えるということをしていないためです。
ギャル文化という渋谷の文化を持って行ったのが大潟村の「ギャル米」でした。
今回のコミケは、秋葉原の文化を持って行っただけになっていないでしょうか?
「この土地でしかできない」イベントになっているでしょうか。
イベントまでまだ期間があります。実行委員会のみなさんには、そのへんをよく考えたイベントにしてもらいたいと思っています。
僕は、美少女が珍しくなくなった今だからこそ、企画をつくった原点を大切にしていきたいと考えています。
山内 貴範
あけましておめでとうございます
あけましておめでとうございます!!
今年もどうぞ、宜しくお願いいたします。
今年も第4回「かがり美少女イラストコンテスト」をはじめとするイベントや、
様々な企画を行う予定です。このページで随時告知していきますので、
チェックしていただけると嬉しいです。
山内 貴範
今年もどうぞ、宜しくお願いいたします。
今年も第4回「かがり美少女イラストコンテスト」をはじめとするイベントや、
様々な企画を行う予定です。このページで随時告知していきますので、
チェックしていただけると嬉しいです。
山内 貴範





